“地球のタイムリミット”を見て、あなたはどんなアクションを起こす?
夏が来るたびに最高気温を更新しているのでは?と感じるほど、毎年暑いですね。猛暑による野菜の高騰、台風・大雨被害は例年のように発生し、私たちの生活に影響を与えています。そんな状況を見て、あなたはなにを感じますか?
気候変動の危機を知らせる「Climate Clock(クライメートクロック)」が、日本・渋谷に設置されたのは、今年の4月。10・20代の若者たちで編成されたチーム「a(n)action」を中心に、クラウドファンディングやフリーマーケットで資金を募り、第1基の設置が叶ったのです。続く第2基は子育て支援施設に、そしてなんと第3基の設置場所は、TWIGGY.に併設されるカフェの本棚となりました。
今回の設置に際し、「a(n)action」のメンバーである黒部睦さん・ナイハード海音さんに、Climate Clockを設置した経緯や気候変動アクションへの想いを伺いました!
タイムリミットを迎えるとき、
あなたは何歳?
プロジェクトの発起人のナイハード海音さんは、Climate Clockが表示する時間を見て、気候変動が“自分ごと”になったのだそう。
ナイハードさん
「数年前、ニューヨークにClimate Clockが設置されたニュースを見ました。そのとき、私は気候変動アクションの目的を見失いかけているときで…。でもClimate Clockを見て、“いつかやらないと”から“今やらないと”と自分ごとになったんです。だって残された時間を計算すると、私はまだ24~25歳。30歳にも満たないときにリミットが来るなんて、嫌だと思ったんです」
黒部さん
「私もClimate Clockの時間を見たとき、“20代で、今と同じ生活ができなくなるの?”と思いました。それに結婚・出産をしたあと、自分の子どもに“外で遊べない” “美味しい魚が食べられない”という想いをしてほしくないんです」
なぜ彼女たちが、積極的に気候変動アクションを起こしているか。それはタイムリミットが迫ったとき、彼女たちは20代…まだまだ未来があるから。誰にとっても気候変動は大きな問題ですが、これからの人生を考える彼女たちにとって、気候変動は“自分ごと”の問題なのです。
仕掛けられた“ワンアクション”
ではClimate Clockを見て、どれだけの人が“自分ごと”として危機感を持てるでしょう。文字盤の数字を見るだけになってしまいそうですが、Climate Clockには10代20代ならではの発想が仕掛けられていました。
黒部さん
「Climate Clockを置くことがゴールではないんです。残された時間を見た一人ひとりが、危機感を持ってアクションを起こすことが大切だと思っています。だからClimate Clockの文字盤のQRコードを、“スマホで読み取りクリックする”というアクションを取り入れました。そのアクションが100万回になると、環境省に通知される仕組みなんです」
ひとりでも多くの方が、気候変動に“気づき” “アクション”を起こすために、彼女たちは日常でもひと工夫を取り入れています。
黒部さん
「私の周りでも、気候変動について考え取り組む人が増えていますが、まだまだ危機感を持っていない人もいます。最近は大学の友人や周りの人にメールや会話のなかで、“暑い日がつづきますね”とか“最近野菜高くない?”とか、気候変動に気づいてもらうひと言を伝えるようにしているんです」
ナイハードさん
「じつは今スイスにいるのですが、スイスでは当たり前のように気候変動が話題になります。昨日も屋上からアルプス山脈が見えたときに“雪がないね”という話から、気がつけば気候変動の話をしていました。日本でも農家さんをはじめ、気候変動を身近に感じている人は少なくないはずです。もっと身近な話題となり、みんなでアクティベートできるように、Climate Clockがきっかけでアクションが広がるとよいなと思っています」
現在“Climate Clock”が表示している時間は、“6年304日12時間59分00秒”。
年を重ねるごとに深刻になる気候変動を“自分ごと”として捉え、自分や自分の家族、そして未来の子どものために、できることからアクションを起こしてみませんか?
- PROFILE
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黒部睦(Mutsumi Kurobe)
国立音楽大学3年。2001年、東京都出身。高校生時代にSDGsの啓蒙を始め、スウェーデンへ研修をきっかけに気候変動の危機に気づく。現在は「Fridays For Future Tokyo」やClimate Clockプロジェクトメンバーとして気候変動対策に取り組む。
- PROFILE
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ナイハード海音(Mio)
大学1年生。2003年、東京都出身。高校生の時にマーチに参加したことをきっかけに環境活動を始める。Climate Clockプロジェクトの発起人。
- Climate Clock
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クライメートクロック
気候変動のデッドラインは、地球の平均気温が“1.5度”上昇すること。Climate Clock(クライメートクロック)は、現在の二酸化炭素の排出量をもとに計算した、地球の残り時間を表示。アメリカ・ニューヨーク、イギリス・グラスゴー、韓国・ソウルなど、世界各地に設置されている。 Climate Clock Japanのホームページ
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