#03 YUMEDREAMING coffret
Social Good Project〈UP CYCLE – 草木染〉
#03 UP CYCLE - 草木染
by futashiba248
農業廃棄物を草木染で再利用!
サスティナブルな方法で草木染を行うfutashiba248に密着
もうすぐやってくるホリデーシーズン。1年の中でも特別なシーズンこそ、大切な人へ、1年がんばった自分へ、いつもより特別感のあるアイテムをセレクトしてみませんか? 今年もYUMEDREAMINGからこの時季限定のコフレが登場しました。今年のコフレは、"ソーシャルグッドプロジェクト"。アップサイクルしたバッグとポーチがノベルティのコフレやドネーションなど、新しい試みを取り入れた特別なコフレをご用意しました。
今回ノベルティのアップサイクルに協力してくださったのが茨城県で草木染を行っているfutashiba248。農家で出た農業廃棄物を染料として使用し、天然染料・手作業で草木染をしているfutashiba248の関将史さん、裕子さんご夫婦の工房にお伺し、染色の様子や、草木染をはじめたきっかけ、染めていただいたポーチのこだわりや想いなどお話しを伺いました!
「茨城県の良さを沢山の人に伝えたい」
その想いからうまれた草木染と地元農家さんとのつながり
—お2人で始めたとのことですが、きっかけはなんですか?
「僕たちは東京モード学園の同級生で、ファッションデザイン学科で洋服のデザインや制作、マーチャンダイジングなど専攻していました。その時から、いつかは2人でブランドをやってみたいよねって話をしていたんです。でも卒業後すぐにはできなくてお互い普通に就職をしたんですが、30歳になる手前の時に、「そろそろ2人でやりたいよね」って話をして本格的に動き始めました。
そのときは染色に興味があって茨城県にある藍染の体験に行ったとき、そこの先生が“リンゴの木の枝とかでも染めることができるよ”っていうのを教えてくれて。それで帰ってきた後に、父から茨城県の大子町にリンゴ狩りにいかないかって誘われました。実際に農家さんに行って、“茨城県の大子町ってリンゴ狩りができるなんてはじめて知った”とお話をしたら、“茨城県民でも知らない人が多いよ”って。そのときに染め物やファッションを通して茨城県の魅力を伝えられないかなって思ったんだよね。それで、リンゴの木で草木染できることを思い出して、リンゴの木の枝をいただいたのがはじまりでした。
リンゴの木の枝を持って帰って、鍋で煮込んで染めてみたらすごく綺麗に染まったんです。それを見て“もしかしたら農作物でいろんなものが染まるんじゃないか”って感じて、いろんな農家さんに電話して“いらないもの、廃棄物があればいただけませんか?”とご連絡しました」(将史さん)
—農家さんからはどんな廃棄物が集まってくるんですか?
「たとえば、トマトの葉やさつまいものツルとか。あとは傷ができて出荷ができない果物や、そば殻、玉ねぎの皮とかいろんな廃棄物が集まります。どんなものでも、なにかしら色はでるので、基本なんでも頂いています。はじめたころは1件ずつ農家さんに電話して廃棄物をもらっていたんですが、今では知り合いの知り合いとかの農家さんからご連絡をいただけるようになって、いろいろなものが集まるようになりました。農家さんも、一定量を超えてしまうと廃棄するのもお金がかかってしまうそうで…。それで染色に使ってくれないかってご連絡がきますね。
この前はヒマワリをもらったんですけど、そのヒマワリは販売するために育てているわけじゃなくて、土壌改良のために植えていたみたいで。ヒマワリって根が深く入るから土が耕されて透水性がよくなったり、土壌にいい菌(菌根菌など)を増やしてくれるから育てていたみたいなんですけど、“せっかく咲いたお花がもったいないから草木染で使ってくれないか”ってご連絡がきて…。人とつながることで新しい発見や気付きが多くあります」(将史さん)
育った環境で色合いが変わる。 正解がないのが草木染の楽しいところ。
—フタシバさんが染めたアパレルや雑貨は、すごくキレイで優しい色合いですよね、どのように染めているんですか?
「草木染は独学で、何度も試してやっていてまだまだ勉強中です。でも草木染はぜんぜん難しくなくて、ちょっと手間はかかるけどやっている工程はシンプルなのでご家庭でもできますよ。煮込む温度や火力とかはトライ&エラーしないと思った色合いにはたどり着けないですが…。今では、この野菜はこのくらいで、葉ものはこれくらいの煮込み時間でこの色合いが出るっていうのが分かるようになりました。
いつもは少量のものを染めているのですが、今回TWIGGY.さんからポーチ染色の依頼が来て、はじめて何十個とかの大きな数量を染めて新しい発見があったんですよ。ポーチはトマトの葉を使用して染めたんですが、同じ品種のトマトの葉を使用しても、農家さんが違えば全然違う色合いになったんです。夏場にもらったトマトは万田酵素を肥料として使用していて、それで追加で別の農家さんからトマトをもらって染めたら、自然農法で育てているとこだから色合いがまったく変わって…。それで育った環境の違いでも色合いが変わってくるんだっていう驚きと発見がありました」(将史さん)
—育った環境でも色合いが変わってくるんですね!予想していた色合いにならないと大変じゃないですか?
「想像していた色がでなくても、その色がその植物のもっている個性だと思うし、自分たちもそれでいいと思ってる。淡い色がでたから正解とか、濃い色がでたからよいとか、そういうのじゃなくて、農家さんが大切に育てた野菜や果物、植物を違うカタチで再利用していくことや、染めたアイテムから茨城県のことを沢山の人に知ってもらうことが大切なのかなって思っています。草木染はできあがってみないと分からないし、それも楽しい。そこが草木染の魅力なのかなっておもいます」(将史さん)
—今回ツイコフレのイエローポーチと、グロス&パフュームコフレのグラデーションポーチを染めていただきましたが、デザインのポイントを教えてください。
「ツイコフレのイエローポーチは、茨城県つくば市の玉ねぎの皮を使用しました。玉ねぎの皮で染めるとイエローがでるのですが、染める時間・回数・温度の違いでさまざまな色合いのイエローに出会いました。濃いイエローや、青味がかったイエロー、オレンジに近いイエローなど、ひと言で“イエロー”と、ひとまとまりにしてしまうのはなんだかもったいないくらいです。
限定ノベルティのグロス&パフュームコフレのグラデーションポーチは、デザインを考えるときにTWIGGY.さんからパールセントジェルを見せていただいたんです。虹色に輝くパールセントジェルをイメージして、デザインを考えるのに試行錯誤を繰り返し、1
点1点手作業で色を染み込ませながら柄をつくりました。オレンジは、大子町の大子漆の木部、ブルーは小美玉市のブルーベリーの実、イエローは阿見町のトマトの葉を染料として使用しています。色と色が交わって深みがプラスされた、それぞれに個性をもつ世界にひとつだけの巾着に仕上がりました」(裕子さん)
通常であれば捨ててしまうものを、染料として再び使用していくというサスティナブルな方法でおこなう草木染には、茨城県の地域や農家、特産物など、茨城県のいいところを沢山の人に知ってもらいたい…という将史さん・裕子さんの想いが込められています。さまざまな廃棄物から抽出した色を”農カラー”と名づけ、現在はオリジナルのアパレルや雑貨を展開しています。植物や野菜、果物が持つそのものの個性を活かした”農カラー”は、やさしい色合いとあたたかみのあるカラーがポイント。ときとともに色の変化があるのも天然染料ならではで、その変化を楽しむことが草木染の魅力なのかもしれません。お2人が1つ1つ手作業で染めていただいたイエローポーチ、グラデーションポーチの”農カラー”をぜひお楽しみください!
- futashiba248
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関 将史さん・裕子さん
2018年から茨城県を拠点に夫婦で活動。ブランド名のfutashiba248には、二人で始めたブランド・廃棄物を”再び”使用すること・茨城県の形が柴犬が遠吠えをしている形をしていることをかけ合わせて”futashiba248"〈フタシバ〉という名前に。天然染料と手染めな らではのやさしい色合い・風合いが特徴の洋服や服飾雑貨を製造販売。学校やイベント等で染色体験の実施や、 飲食店、ブランド、 オフィス等の染色オー ダーなどを行っている。
- TWIGGY.オリジナルヘアケアプロダクト YUMEDREAMING
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YUMEDREAMING
ヘアサロン TWIGGY.発の、頭皮も肌も同じ表皮という発想から生まれたヘアケアブランド<ユメドリーミン>。スキンケアと同じグレードの良質な素材を使用し、心地よさとともに結果と満足を満たすベストな処方を追い求めて、自身に宿る“輝く力”を引き立ててくれます。植物の恵みを凝縮した濃厚なエキスで、頭皮と髪を芯から整えるサロンクオリティのプロダクツです。
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