TWIGGY.cafeのドリンクやスイーツ、料理によく登場するレモンは、神奈川県真鶴町にある「Orange Floral Farm」で生産されています。見晴らしのよい高台にある農園で育てられるレモンは、防カビ剤・土壌改良剤・除草剤・ワックス等を一切使用しておらず、カフェのシェフいわく、皮まで旨味が詰まっていて他のレモンとはまったく味がちがうそう。

今回は「Orange Floral Farm」の佐宗さんのもとへ、日ごろから交流のある優シェフが訪ね、対談が実現! 生産者とシェフ…同じ“つくり手”だからこそ通ずる“食”に対する想いを、引き続きvol.2でもご紹介していきます。 vol.1はこちらから

vol.2
“食”をきっかけに、健やかな輪が広がっていく

優シェフ:私はいつも、食材を美味しく安全に生産してくださる方がいるからこそ、お客さまに安心して料理を提供することができると感じています。またシェフというのは生産者の方の想いを食べる方々へ、食べた方々の気持ちを生産者の皆さんへ伝える…橋渡し的な役割を担っているとも思っています。
だから私は、佐宗さんのように食材にきちんと向き合って生産されている方々の気持ちを、食材の味を活かした料理にのせてお客さまに届けていきたい。またお客さまから「この食材はどこでどんな人がつくっているの?」と聞かれたときに、きちんと生産者の方の姿勢まで伝えられるようになりたいんです。日本はまだまだ生産者と消費者の距離が遠いではないですか。だからこそ、私たちシェフが生産者の方々と顔と顔でつながる関係を築いて、お客さまと生産者の方の距離を近づけていきたいと願っています。

優柚という品種の果実。普段は鳥たちのエサになっているが、 何か料理につかえないか2人で相談中。
じつはレモンの葉っぱも、料理の香りづけには使えるのだとか。
一生懸命、葉っぱも収穫しました。

佐宗さん:生産者である私も、優さんに近い想いを感じますね…。レモンを業務用として出荷するときは、食材を調理してくれる方々がいなければ、食べる方に食材の味が届くことはありません。だからこそ、丹精込めて育てた食材をたくすレストランやカフェの方々との関係性はとても大切だと思っています。やっぱり顔と顔でつながることのできない方へは、大切な食材をお渡しすることはできないですからね。でもね…そんな中で優さんは特別! 食材を調理してくださる方の中で、ここまで色々な想いをキャッチボールできる相手はなかなかいません。この前も主人と、きっと第2の実家に遊びにきてくれるような気持ちで農園に来てくれているのかな…なんて冗談で話していました(笑)。


優シェフ:ふふふ…あながち間違っていないかもしれません(笑)。
もともと佐宗さんはTWIGGY.のサロンのお客さまでもあったのでお人柄を知っていましたが、この農園をはじめて訪れたときに本当に居心地がよくて…。解放感のある農園と佐宗さんのおもてなし、やさしさやあたたかさを改めて感じて、こんな場所が増えたら、生産者さんとシェフ、さらには消費者の方々との距離がもっと近づくことができるなと思いました。

収穫したてのレモンをカットして、レモン白湯を入れてくださいました♪


佐宗さん:そうですか?嬉しいです。でも先ほど優さんが言っていた通り、日本ではまだまだ生産者と消費者の距離が遠いですからね。きっと多くの方は自分が口にしている食材を誰が育てているか、知らないのではないでしょうか。でもその食材は、私たちの身体をつくり、さらに未来の子どもたちにまで関わってくる…とても大切なモノですからね。
私たちの農園では、生産者と消費者の距離を近づけるため、興味をもった方々が農園に気軽に遊びに来られるようにさまざまな取り組みを行っています。レモン狩りやバーベキュー体験などのプログラムもそのひとつで、例年多くの方が来てくださっていますね。

農園の入り口にはかわいい看板が。
レモン狩り体験をさせていただき、かごはレモンでいっぱい!

佐宗さん:また真鶴町に住む若い世代の方々と、交流の機会もつくるようにしています。真鶴では、結婚や出産をきっかけに都心部から移住してくる若い方々が増えていますが、子育て中のお母さんが働く場所が少なく、また働く場所はあっても条件が決してよいとは言えないんです。私たちの農園ではお給料や時間などの条件を整えて、小さい子どもを育てているお母さんに働きに来てもらっています。子育て世代の方々がこの農園に訪れることで、レモンをひとつ育てるだけでもこれだけ手間がかかること、また農薬をつかわずに丹精込めてつくるとレモンの味が変わることを知り、お母さんや子どもたちに“食”の大切さを考えるきっかけを持ってもらえたら…と思っています。
今の子どもたちは、食材がきれいに洗われてカットされた状態でしか見たことがない子が多い。なぜ私たちの農園のレモンには傷があるのか…、それはレモンが太陽や風と必死に戦っていた証拠なんだと子どもたちも知ったら、食材への意識も変わってくると思うんですよね。純粋でまっすぐな子どもたちには、健やかな未来を生きてもらいたい…。そのためにできることは精一杯取り組みたいと思っています。

農園では、小学生向けの課外授業もされているそう。

優シェフ:素敵! レモンをきっかけに、健やかな“食”の輪が広がっていきますね!


佐宗さん:でもTWIGGY.さんも同じだと思いますよ! 私がTWIGGY.のサロンに通っているのは、ヘアスタイルを素敵にしてくれるのはもちろん、オーガニックやナチュラルなど自然や人にやさしい姿勢に共感していたからでもあります。そんな中でたまたまお土産に持って行ったうちのレモンを、野中さん(佐宗さんを担当しているスタイリスト)が優さんに渡してくれて、TWIGGY.cafeとつながっていきました。そして、優さんがカフェでレモンを美味しく調理してくれることで、いらしたお客さまが料理を食べて、“食”の大切さを見直すきっかけとなる…。私たちとは角度が違うかもしれませんが、これもひとつの輪が広がっていることだと思いますよ!

優シェフ:そんな~! でも私たちがそんな役目になれていたら、嬉しいです。
日本はフードロスや添加物など、“食”への課題がたくさんあります。未来の子どもたちのことを考えたら、私たちシェフこそがもっと真剣に“食”の大切さを伝えるための行動を起こしていかなければなりません。そして何よりも、食べることは“美味しさ”がないと始まらない! 佐宗さんのような、食材の美味しさと安全を考えている生産者の方々ともっとつながって、見て“楽しい”、食べて“美味しい”、そして身体と地球にとって“やさしい”…そんな料理をつくって、多くの方が「健やかな食とは?」と考え直すきっかけが生まれたらうれしいですね。


佐宗さん:そうですね! これからも優さんのおいしい料理、楽しみにしています。

優シェフ:ありがとうございます!

Orange Floral Farm

アクセス:〒259-0201 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1147-4
TEL: 0465-69-2239 | FAX: 0465-69-2052
営業時間: 10:30 - 15:00 / 不定休 (ご来園の際は、事前にお問い合わせください)
ホームページ

chef

山田 優(Yu Yamada)

1984年生まれ。さまざまな飲食店で勤務する中、自身の体調不良をきっかけにマクロビオティックインストラクターの資格を習得。フードコーディネートやケータリング、レシピ開発など幅広く活動。TWIGGY.cafeには2016年よりMEAT FREE MONDAYのシェフとして加わり、現在は毎週月曜日と木曜日を担当している。

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