#02 YUMEDREAMING coffret
Social Good Project〈UP CYCLE – STENCIL ART〉
#02 UP CYCLE - STENCIL ART
by TSUTOMU MORIYA
ステンシルアートで価値をさらにアップデート!
守矢努さんのモノづくりに込める想い
もうすぐやってくるホリデーシーズン。1年の中でも特別なシーズンこそ、大切な人へ、1年がんばった自分へ、いつもより特別感のあるアイテムをセレクトしてみませんか? 今年もYUMEDREAMINGからこの時季限定のコフレが登場しました。今年のコフレは、"ソーシャルグッドプロジェクト"。アップサイクルしたバッグとポーチがノベルティのコフレやドネーションなど、新しい試みを取り入れた特別なコフレをご用意しました。
今回、スペシャルコフレのノベルティバッグのアップサイクルに協力してくださったのがステンシルアーティストの守矢努さん。ステンシルアートとは、型紙を切り抜いてスプレーやペンキで文字や絵柄をペイントする手法のこと。現在はフェスやイベントで、持ち込みのTシャツやカバン、靴などにステンシルを刷るワークショップを行っている守矢さんに、ステンシルアートをはじめたきっかけや、モノづくりに込める想いについてインタビューしました!
「導かれるようにステンシルばかりやっている」ステンシルアートをはじめたきっかけとは?
—ステンシルアートを始めたのはいつごろですか?
「もともとはグラフィックデザイナーで、CDジャケットのデザインをしていたんだけど、20年前に、東京スカパラダイスオーケストラのCDジャケットをデザインしたのがステンシルアートのはじまり。メンバーの谷中敦さんがはじめて作詞した作品だからいつもと違うテイストのCDジャケットを作りたいと言われて、そこではじめてステンシルアートを取り入れたんだよね」(守矢)
「そのとき、僕はニューヨークに行っていて、街中にグラフィティーが溢れている自由な感じがすごく好きだった。東京にいると本にまとまった綺麗なグラフィティーしか見れないし、レベルが高いものしか載っていない。でもニューヨークの街並みには、スプレーで描いた上手なもの、下手なもの、沢山のアートが溢れている。デザインの自由さを感じて、そのときに“自分が好きなものを自由に表現したい”と思ったのがきっかけだった。
ステンシルアートは、適当にちゃちゃっとやっている感じなのも好きだったし、そのテイストを自分の服にオリジナルで入れはじめて、それがブランドになったり、いろんな人が「それいいね」と評価してくれるようになって、そこからステンシルは自分の武器だと感じるようになった。グラフィックデザイナーとしては80点だけど、ステンシルアートは120点かな。気付いたら導かれるようにステンシルばかりやっているんだよね」(守矢)
—“ステンシルといえば守矢さん“みたいに、 今では守矢さんの代名詞になっていますよね。
「15年くらいはデザインの会社をやりながらステンシルアートの活動を続けていたんだけど、コンサバティブなことばかりで、”何か変えないと”と思って会社をやめたときに東日本大震災があった。そこから社会も、人も意識がどことなく変わっていったし、震災後のチャリティーでステンシルアートのワークショップをはじめたんだよね。そうしていると、
”なんで守矢くんがステンシルを自分の表現としてやっているの?”と言われるときもある。ちょっと意地悪な感じだけどね。でもたしかに、簡単な手法だし誰でもできるものだけど、気づいたらずっとステンシルアートを続けているし、誰よりも長くやっているからモノにできているのかも。上手さやセンスは僕よりも上の人はいっぱいいるかもしれないけど、長さだったら僕が1番かなと思っている」(守矢)
持ち込まれたアイテムにアップサイクル! ステンシルをより身近に、自由に。
—守矢さんのワークショップは、持ち込まれたアイテムにステンシルアートをするというスタイルですが、最初からそのスタイルで活動されていたんですか?
「僕も最初は、Tシャツとかトートバッグを用意して、それを買ってもらってステンシルを刷っていたんだけど、在庫切れが起きたり、さらに余ったものは持って帰ったり、それで次に活用していかないと、とかそういう管理が大変だなって思ってた。そしたら「自分のモノにステンシルやってもらっていいですか?」と言ってくる人がいて、その持ち込みしてもらったものにワンポイント1000円でステンシルを刷るっていうのをやっていたら、いつのまにかそれがどんどん確立していった。お客さんも理解してくれるようになって、自分がワークショップを開くときには、刷ってほしいものをお客さんが用意してくれるようになったんだよね」(守矢)
—皆さんどういうモノを持って来られるんですか?
「服とか帽子、鞄とか、いろんなモノを持ってくるよ。その中で、カレーをこぼしてシミが目立つTシャツをもってきた子がいたんだよね。洗っても取れないし、自分でワッペンしてもダサいから、守矢さんにステンシルしてもらったらかっこいいかなと思って来ました…という子がいて、そのカレーのシミのところにステンシルを刷ってあげた。そしたら1回捨てようと思ったモノが素敵になったって、すごく喜んでくれて。ほかにも、おばあちゃんからもらったルイヴィトンのバッグを持ってきた子がいて、話を聞くと、その子が小さいときにおばあちゃんがおむつ入れとかでつかっていたらしくて、思い出深いものだったみたい。古いくたっとしたルイヴィトンだけど、その子とおばあちゃんのストーリーが詰まっていて、そこにステンシルを入れることでアート性が強くなって、またひとつ違う味わいがプラスされたものになる。それにその子のストーリーの一部になるのもうれしかった」(守矢)
—自分のモノにステンシルを刷ってもらうのって特別なアイテムに生まれ変わる気がして、より大切にしようって思えますね!
「持ち込みOKのワークショップを続けていると、”守矢さんがやってることってアップサイクルだよね”と言われたんですよね。確かにそうだなって気づかされた。新しいモノばかりを買ってモチベーションをあげるだけじゃなくて、捨てずにもう1回カスタマイズしていくのもいいよなって思ったし、なんだか悪いことしてないなって思った」(守矢)
“その人”を知って、“その時間“を楽しむ。モノづくりには欠かせない、人との関わり
—守矢さんがワークショップで大切にしていることは何ですか?
「ワークショップの醍醐味って人と関わることができること。僕はしゃべるのが好きだから、1人の人と20~30分話しながらやることもある。ステンシルを刷るのは2分で終わるのに(笑)。儲けるためには効率よくやらないと…と思う人もいるけどそれだったら僕はただステンシルを刷るだけの人になるし、一方通行にすぎない接客になってしまう。それに、いずれ飽きがくると思う。僕がステンシルで長く活動を続けていけるのは、お客さんと1対1で関わっていけているから。その人を知って、その時間を楽しみながらやることが自分のモノづくりには欠かせないんだって思った」(守矢)
今回のスペシャルコフレのノベルティのゴールドとホワイトのバッグは、TWIGGY.のPOPUPスペースで作業をしていただきました。ただ黙々とステンシルを刷るのではなく、作業中もたくさんお話をしてくださり、出来上がったステンシルアートを見ては、“このスプレーのかかり方いいよね”や“ぼかし具合が面白くできた!”など、その時間を楽しんでいるような印象を受けました。 シンプルなゴシックのTWIGGY.ロゴと、守矢さんのテイストがマッチしたバッグに仕上がり、一つひとつデザインが異なるバッグには、守矢さんならではのアートや想いが現れています。世界に1つだけの特別なアップサイクルバッグをぜひ手に取ってみてはいかが?
次回は、草木染ポーチをつくっていただいたfutashiba248さんのコラムを配信します。 商品部のメンバーが実際に工房にお伺いし、草木染体験をしてきました!その様子や、futashiba248さんについてご紹介します。お楽しみに!
- TSUTOMU MORIYA
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守矢努
CDジャケット、アパレルなどのデザインを中心に活躍。オリジナルブランド「ILA.(アイラ)」を設立。現在はステンシルアーティストとして「アイラ ステンシルサービス」という屋号でフェスやイベントを中心にワークショップを開催している。
- TWIGGY.オリジナルヘアケアプロダクト YUMEDREAMING
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YUMEDREAMING
ヘアサロン TWIGGY.発の、頭皮も肌も同じ表皮という発想から生まれたヘアケアブランド<ユメドリーミン>。スキンケアと同じグレードの良質な素材を使用し、心地よさとともに結果と満足を満たすベストな処方を追い求めて、自身に宿る“輝く力”を引き立ててくれます。植物の恵みを凝縮した濃厚なエキスで、頭皮と髪を芯から整えるサロンクオリティのプロダクツです。
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